「胎児医療」ってどんなもの? 注目の専門医療とは・FMC東京クリニック

FMC01FMC東京クリニック 中村 靖 院長
FMC東京クリニックは、遺伝カウンセリングや胎児検査・診断を専門とするクリニックです。赤ちゃんが生まれた後だけではなく、生まれる前からその健康を考える「胎児医療」を実施されています。今回、当クリニックの中村靖院長に、胎児医療の大切さと、多くの夫婦のカウンセリングや検査・診断で日々痛感されている“これからのお母さん・お父さんに伝えたいこと”を伺いました。

妊娠中から胎児を診ることの大切さ

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__「胎児医療」とはどのようなものなのでしょうか?

胎児医療のことをお話しする前に、まずは「妊婦健診」について触れておきますね。
今でこそ「妊婦健診」といえばお母さんと胎児の両方を診るのが当たり前ですが、かつて超音波検査が普及する前は、文字通り「妊婦さんの健診」で、胎児を健診することはできませんでした。
お腹の中の赤ちゃんを“見る”ことができなかったからです。生まれてくる子に何らかの病気があっても、生まれてくるまで分からない。生まれてくる時になってはじめて、双子だということがわかるようなケースもあったほどです。それが、超音波で詳細を見られるようになり「ちゃんと発育しているか?」「形に異常はないか?」といったことが、赤ちゃんが生まれる前からわかるようになりました。

__超音波検査により「胎児医療」が可能になった、ということでしょうか?

そうですね、超音波検査で胎児を観察することができるようになって、それまでブラックボックスの中にあった沢山のことが、わかるようになってきました。子宮の中で、胎児はどのように発育、発達してくるのか。どのような動きをしているのか。そんな中で、生まれてきたとき初めてわかったような病気が、胎児のうちから見つかるようになったり、その病気が生まれてきたときに見られるような形になるまでに、どのように出来上がり、あるいは進行するのかが判るようになったりすることによって、出産前からの管理や、出産方法の選択、出生後すぐ€の対処につなげられるようになりました。中には、胎児のうちから適切な治療を行うことが検討されるものもあります。
しかし、胎児を見ることができるようになっても、「妊婦健診」はやはり妊婦中心のままなんです。なぜなら、超音波で観察するといっても、間接的に見ているだけですし、直接診察できるわけではない。また、医師によって技術に差があり、全ての医師が同じ正確さで胎児をみれるわけでもないからです。そのうえ、妊婦健診の短い時間内では、詳しい観察はできません。産科領域で「胎児を診る」というのはちょっと特殊なことなのです。

またこれも歴史的なことになりますが、昔は産科の医師が出産後の1カ月健診くらいまで継続して赤ちゃんを診ていました。しかし、新生児医療の分野もどんどん進歩して、小児科の中の一専門分野として発達してきたために、産科の医師が新生児を扱うことは少なくなってきました。また、生まれてすぐの赤ちゃんの病気を手術する小児外科の領域も、どんどん進歩してきました。そのようなこともあって、新生児期の病気やその病気を持ったお子さんがどのように発育していくかについて、産科医が必ずしも詳しくはないという状況になっています。

__なるほど。でも、実際に「胎児」を診るのは小児科・新生児科ではなく産科の医師ですよね?

そうなんです。新生児をみる医師が胎児期からずっとみているということはあまりありません。しかし、胎児と赤ちゃんの状態というのは、言わば連続したものなので、必要に応じて小児の診療をおこなう医師が関与することも大事だと考えられます。胎児を診る医学分野は妊娠そのものを管理する分野(産科)と、生まれてからの子どもを診る分野(新生児科・小児外科)のちょうど中間領域だと言えます。

産科は「生まれてくる」という明るい世界。だからこそ、赤ちゃんを救いたい

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__中村先生は、なぜ胎児医療を志されたのでしょうか?

僕は順天堂大学医学部の出身なんですが、当時の順天堂大学では生まれたばかりの赤ちゃんの外科治療を専門とする「小児外科」が他の大学に先駆けて発展し、活発な分野でした。なかでも、胎児のときに病気を見つけて、生まれてすぐに手術をするということが多く行われていたのですが、ちょうど僕たち産婦人科医の役割が、胎児の病気を的確に診断して、新生児科や小児外科に受け渡すということをしていました。ある意味では、順天堂大学にいたからたまたま胎児医療に触れる機会があったという感じです。

__そもそも、産婦人科医になろうと思ったきっかけはありますか?

当時僕は骨盤内臓器の手術に興味を持っていて、ならばということで医学部の6年生のときに婦人科を志望しました。ただ何もわかっていない若い医師になかなか手術は回ってきません。一方で仕事としては産科の仕事も数をこなすようになるのですが、するとだんだんお産の方が好きになってきて、赤ちゃんのお世話をするのが楽しくて仕方がなくなってきたんです。産科には「生まれてくる」という他の科とは違う明るい世界があるんですよね。だからこそ、病気を持って苦しんでいる赤ちゃんを救いたいと思うようになりました。「生まれつきの病気が治せれば、その子の一生は全然違う一生になる」――その気持ちを抱きながら、今日までずっとやってきたつもりです。

禁煙は「妊婦の問題」ではなく、男性側も含めた「夫婦の問題」

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__中村先生は、禁煙についても強い課題意識を持っていらっしゃいますね。タバコと妊娠・胎児との関係について医学的にはどのようなことがわかっているのでしょうか?

実は、タバコと胎児の異常との因果関係の多くは明確ではありません。1回の喫煙で一気に異常が出るわけでなく、徐々に影響が出るためです。
少なくとも喫煙をしていると妊娠しづらくなる、流産率や子宮外妊娠の確率が高くなるということは明確に言われています。また、乳幼児突然死症候群(SIDS)や母子ともに非常に危険な胎盤早期剥離なども、妊娠中の喫煙や家族の喫煙との関連が言われています。タバコには副流煙もあるので、禁煙は夫婦で取り組むことが重要ですね。

__妊婦さんだけでなく、旦那さんの禁煙意識が大事なのですね!

そうです。それに夫が吸っていると妻も辞めにくいですからね。当院は夫婦で診察室に入ってもらえるようなつくりにしているのですが、たまに夫がタバコの臭いをぷんぷんさせて来るときがあります。そういうときは、必ず注意するようにしています。

__皆さま快く禁煙してくれるものでしょうか?

当院では遺伝カウンセリングも行うので夫婦関係もよくわかるのですが、2人で色々話し合っている夫婦の方が、しっかりと禁煙してくれるような気がします。一方で、夫が妻の通院にあまり興味がなく「連れて来られた」というような場合は、喫煙について無頓着だったり注意を促してもピンとこないということがあります。不妊治療にしても、喫煙が不妊治療の成績を自ら落としているようなものだということを案外分かっていない人が多いかもしれません。

コミュニケーションが大切!夫婦も医療者間も

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__妊娠後の胎児検査について知ってほしいことはありますでしょうか?

よくインターネットで「こんな検査があったんだ」と見つけたり、新聞記事を読んで「こんな検査が導入されたんだ」と知ったときに、それらの検査を日本のどこでも受診可能と思ってしまう方が多いですが、実際はそうではないのが現状です。いや本来はそうでなければいけないと思うのですが、日本では胎児の検査にあまり積極的ではない医療機関が多いんですよね。例えば妊婦の年齢が高くなるほど染色体異常が増えるというのは事実としてありますが、実際に「こういう事実がありますよ」「こういう検査がありますよ」という情報を聞かされずにいる人が多いようです。案外皆さん、自分がどこで診てもらったらいいか、上手に選択できていないように感じています。先程の例で言えば、逆に「私は高齢だから絶対に周産期センターに行かなきゃ」と極端な選択をとってしまう方もいます。

__なぜ、そういうことが起こってしまうのでしょうか?

そこには情報の少なさとか、うまく教えてもらえていないという現状もあると思うのですが、夫婦間のコミュニケーションと同じように、受診する皆さんと医師や助産師とのコミュニケーションがやはり重要だと考えています。「分からないこと・聞くべきことはしっかり聞かないといけない」と思ってもらいたいですね。

__「聞きづらい」「言いづらい」と感じる夫婦も多いように思いますが…

そうですね。医師や助産師に遠慮してしまう人は結構います。それは遠慮をさせてしまう医師や助産師がいるということでもあり、僕のところに来られる夫婦にも「それは普段かかっている先生に聞けばいいんじゃない?」ということを聞いてこられる方がとても多いです。でも、妊娠したら自分たちが主役。最終的には自分たちで決めることが大事ですから、納得いかないままにせず、自分たちで調べて相談するということを大切にして欲しいなと思います。

夫婦で「向き合う」ことがまず何より大事。2人の温度差を放置しないで!

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__最後に、これから「妊活」をはじめるカップルにメッセージをお願いできますか?

自分もそうでしたけど、妊娠や検査の話をする際に「親になる自覚をもちなさい!」と言ってしまう医師は多いです。でも、実際は、育てていくうちに人は親になっていくものですよね・・・。だから、あまりおこがましいことをメッセージとして人に強くは言えないなって思います(笑)
何事にも絶対はないから、「こうじゃなきゃいけない」とか「自分の理想はこうだ」ということを、あまり突き詰め過ぎないほうがよいとは伝えたいですね。夫婦間のコミュニケーションを大事にして、頑張っていただきたいです。

当院にも不妊治療を受けて来られる方がかなり多いのですが、やはり夫婦の仲がずっと続いていくのに大切なのは「向き合うこと」かなと日々感じています。不妊治療の場合どうしても夫婦の温度差が軋轢を生じてしまいますが、その温度差をそのままにしてはいけません。夫婦の片方が突っ走ってしまって、話ができなくなってしまうのはよくないですよね。
男女共にしっかり向き合い、コミュニケーションをとっていってほしいと思います!

中村院長には、お腹の中の赤ちゃんを診る「胎児医療」のお話とともに、夫婦間のコミュニケーションの大切さをお伺いすることができました。妊活、妊娠、出産、産後…と別々に考えてしまいがちですが、そこには常に、お父さんとお母さん、そして赤ちゃんがいます。夫婦の絆も、赤ちゃんの健康も連続したもの・・・!そうとらえることで、出産を中心とした新しい“つながり”が見えてきたような気がします。中村院長、ありがとうございました。(famit編集部:はじめ)

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FMC東京クリニック
  • 〒102-0072 東京都千代田区飯田橋1-3-2 曙杉館2階
  • TEL:03-3221-0333
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  • URL:http://www.fmctokyo.jp/

 

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