赤ちゃんがいること、赤ちゃんを産むことをみんなで喜べる社会へ・広尾レディース院長 宗田聡さん

宗田聡さん広尾レディース院長 宗田聡さん
日常のちょっと気になる不調を「まあいいや」でネットで調べて自己解決しちゃっている人はいませんか? 今回は「31歳からの子宮の教科書(ディスカバー・トゥエンティーワン)」の著者である広尾レディースの院長・宗田聡先生に、お話をお伺いしました。宗田先生が専門にされている女性医療や出生前診断、昨今の医療事情など幅広くお伺いしています。

「私って大丈夫?」気になるのなら子宮頸ガンの検診から

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__「31歳からの子宮の教科書」を読ませて頂きました!どうして31歳にされたのですか?

ありがとうございます。30歳前後で妊娠や女性特有の病気の関心が高くなるということもあり、31歳に設定しました。東京都の初婚年齢は、最新の平均値が男性が31.9歳、女性は30.1歳と男女共に上がってきています。また、第一子を出産する初産年齢の全国平均は2013年のデータですが、30.4歳。高校生でも読めるような内容になっているので、「まだ31歳じゃないから…」と思っている女性たちにも読んで頂きたいと思っています。

__私もちょうど31歳なのですが、大変勉強になりました。

そうでしょ?(笑)この本を出したのが2012年なんですけど、当時この書籍の編集をしてくれた担当さんも31歳だったんです。

__私も良いタイミングで出会えて本当に良かったです! ひとつ質問なのですが、クリニックに行くキッカケはどう作ったらいいんでしょうか? 妊活していても、していなくても、そのキッカケがなくて悩んでる人も多くて…。

まずは、子宮頸ガンの検診に行って頂くのが良いと思います。症状のあるなしに関わらず、20歳を過ぎて性交渉があるのであれば、毎年受けて欲しい検診です。海外であれば、7割以上の女性が当たり前に受けているんですが、日本ではまだ2割程度。健康診断で一緒に受けていただくでもいいですし、あまり特別なことと身構えず、年に一回は検診してもらえればと思います。

__なるほど。クリニックに行けばその日に受けられたりするんですか?

基本予約制にしているところが多いと思いますので、事前に確認した方がいいですね。クリニックだけでなく、市区町村から子宮頸ガン検診の案内が届いていたり、会社の健康診断の一環で行ったりもしています。地方では、バスで検診に来るところなどもありますよね。地域によっては、金額を負担してくれる制度があったりますが、クリニックで自主的に受ける場合は保険の対象外になっているので、ある程度金額もかかります。その点だけ注意してくださいね。

__宗田先生は、30年近く医療に関わっていらっしゃいますが、今までに苦労されたことも多かったのではないですか?

う~ん、私自身よりも患者さんが「大変だろうな…」と思うことの方が多いですね。昔は、近所のお医者さんに見立ててもらえたんだけど、今はたくさんの情報があふれていて、選択肢が増えた分、自分で決めにくい状況に置かれている人が多いんでしょうね。また、日本の医療状況も大きく変わってきてます。例えば、対処が難しいような骨折をして近所のクリニックから総合病院に紹介されても、初診で2ヶ月待ちます、とか平気で言われたりします。骨折なんだからすぐに診診てもらいたくても難しい現状。自分が病気になって初めて「あっ、日本の医療は大変なことになっている」って気がつく人が多いんです。

お医者さんは「ソムリエ」。自分の知識だけで結論を出さないで

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__宗田先生のクリニックでは、「出生前診断」も行われていますよね?

はい。大学時代から専門として診ていましたし、都内で同じように出生前診断をしている先生たちとも繋がっています。「出生前診断」って10年くらい前ではあまり情報もなかったので、カウンセリングをして「やっぱり辞めます」っていう方も半数くらいいたんですけど、ここ5年くらいで変わってきました。徹底的に調べて、彼女たちの中でもう結論が出ていて、「やります!」っていう人がほとんどです。でも残念ながらその9割の人たちが間違った知識で「やります!」と決めてしまっています。なので、私のクリニックでは必ずカウンセリングを行ったうえで検査や診断をしているんです。

__どんな勘違いをされる方が多いんですか?

ほとんどが言葉の意味を読み間違えていることが多いです。例えば「高齢妊娠だと赤ちゃんの異常が増える傾向にあります。」という文章を、「私は30代前半だから高齢ではない。だから異常な赤ちゃんは生まれない。」って思っちゃうんですよね。ちゃんと読めばわかると思うんですけど、赤ちゃんが欲しい思いが強いから自分の都合がいいように解釈してしまう人が多いんです。

__なるほど…! 色々と調べるっていいことも悪いこともあるんですね。

自分で調べてもらう分には問題ないんですけど、自分だけで結論を出さないで欲しいですね。お医者さんをソムリエに例えてもらうとわかりやすいと思いますが、レストランに行って、ソムリエがプロの視点から料理に一番合うワインをお出しようとすると、「いやいや、この料理にはコッチでしょ?」なんてウンチク言ってたら「あなたは何を分かっているんだ!」って思いませんか?(笑)

__思います!!! 例えて説明頂けるとすごくわかりやすい!

それにお医者さんと一言で言っても、専門性もあるし知見も広いですから、「なんとなくおかしいな」とか「気になる」ことがあったらまずはクリニックに行ってみて、自分の症状や心配事を相談してみてください。担当の先生も、「これは自分の専門外だな」って思うことがあれば、信頼できる先生を紹介してくれます。なにより大切なことは、患者さんと私たち医師との間に信頼関係が築かれていることだと思いますね。

__そうですね。宗田先生は妊娠出産だけでなく「産後うつ」についてもご専門でいらっしゃいますが、旦那さんが気をつけるべきことなどはありますか?

おふたりで「子育て」することですね。お腹にいる時は、旦那さんがいくら頑張っても奥さんにしか胎児を育てられないですよね。でも、生まれてきたら旦那さんも「子育て」ができます。生まれてくる前から、それこそ妊娠する前の妊活の段階から、子育てを一緒にしている意識を持つことです。奥さんは妊娠すると体調が大きく変わるので、「検診どうだった?」とか聞いてあげるだけでもいいですよ。

__本当は結婚する時から「子育て」にもちゃんと向き合ってお話できるといいんですけどね。

本当にそうです。男性はもっともっと「子育て」に関する知識をつけるべきです。例えば、お互い35歳で子どもが欲しいと思いながら結婚しているのに、「あと3年は海外赴任だから日本にはいません」って平気な顔して言う人がいるけど、その時の奥さんも38歳。そこから子どもが欲しいって願っても叶えてあげれられる確率は年々低くなってしまいます。そういうことがわかっているようでわかっていない男性が多いんです。

__確かに。男性の意識を若い時から変えてもらうのは難しいのでしょうか?

「性教育」はセックスについて教えるように感じている方も少なくありませんが、女性の健康、例えば卵子には寿命があることとか、年齢が高くなると流産の率が上がるとか、ライフプランを考える「生教育」を若いうちから教えていくように取り組んでいくべきだと思っています。

赤ちゃんにも家族にも優しく温かい社会へ

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__たくさんの患者さんがいらっしゃると思うのですが、印象に残っている方はいらっしゃいますか?

私は「街のかかりつけ医」を目指しているんですが、学生の時から当院に通ってくれていて、進学、就職、結婚、妊娠とライフステージが変わるごとに通ってくれている方がいますね。

__素敵!

一方で「薬だけください」っていう患者さんが増えてきたことも事実です。昔は、時間をかけて薬だけをあげられない理由を説得していたんですが、それを続けていくとこちらが疲弊してしまいます。「お金を払っているんだから、こちらが欲しい薬をもらえて当たり前」な医療ではなくて、患者さんと信頼関係の上で成り立つ医療をしていきたい。今、医療に関わっている人の多くが、患者さんに良くなってもらいたい、患者さん自身の力で良くなってもらいたい、という思いで診療されているので、いい関係を作れると思います。

__なるほど。ギスギスしているというかちょっぴり寂しい世の中な気もします。

例えば、「私もこんな家庭を築きたいな」とか「早くかわいい子どもが欲しいな」って温かい気持ちを持てるようになれば、このギスギスは減ると思います。そのためには、今の家族・家庭が温かくないといけないんです。日本では妊婦さんや子連れに対して冷たかったり批判する傾向が最近強くなっていますが、海外の多くの国では、赤ちゃん連れの人にとても優しい社会のことが多いんです。日本はいつから余裕がなくなってしまったのでしょうね。

__確かに今の日本だと「子どもが欲しいな~」って温かい気持ちになりにくいですよね。

電車の中のベビーカー問題を始め、ちょっと高級なレストランは「お子様お断り」というのも珍しくないですし、子連れで楽しめる場所が日本は少なすぎます。それだと子どもがいない方がいいっていう社会になりますよね? でも海外では子どもがいたほうが、いろんなサービスを受けられたり、例えば行列に並んでいても「お先にどうぞ!」なんて譲ってもらえたりと、社会全体が小さな子どもや妊婦さんにも優しいんです。

__コツコツかもしれませんが、気がついた人から温かい社会へ変えていくしかないですね。

私も度々、高校生に講演させてもらったりすることがあるのですが、若い時からの教育も本当に大切だと思っています。古臭いかもしれないけど、素直に「ありがとう」と感謝を言えたり、親が正しいことを教えてあげたり、不自然になってしまっている日本の社会全体を温かい雰囲気に変えていきたいと思います。

__ありがとうございました!

本当にたくさんの情報が飛び交う現代において、何が「正しい」かは自分の今までの経験や情報から判断していると思います。しかし、医療に関しては情報の専門家であるお医者さんに聞くのが一番! という当たり前のことを改めて感じることが出来ました。今後はちょっとでも「私ってもしかして…」と心配している時間があるならクリニックへ行っちゃおうと思います。宗田先生の著書『31歳からの子宮の教科書』若いうちから知っておくべきことが詰まっています。ぜひ沢山の方に読んで頂きたいと思いました。宗田先生! 貴重なお時間頂きありがとうございました!!(famit編集部:つるた)


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