【シリーズ夫婦で学ぶ妊活検診vol.4】「体外受精」って実際どんな治療なの?

8bf1760dadcbc795d976e682e7385730_s「不妊治療」と聞くと広い段階がありますが、知っているようで知らない「体外受精」。いったいどんな治療をするのでしょうか?本日は「体外受精」について改めて整理してみたいと思います。「体外受精」と聞くと「えー?体外受精!」とびっくりされる方がいらっしゃいます。生物の歴史にさかのぼり・・・2足歩行の人類より遥か前に誕生した魚類、魚は皆「体外受精」と考えると解りやすいでしょうか。メスが産み落とした沢山の卵にオスの精子がかかって受精。魚の赤ちゃんは「体外受精」で誕生するんですよ!でも、私たち人間は、月に1度、たった1個しか卵子が排卵しないのが通常です。受精のチャンスが大変少ないのです。現代においては、限られた時間で「チャンスをいかに増やすか」が妊娠の鍵です。「体外受精」は、卵子と精子をより効率よく受精させるチャンスを増やす手段なのです。これから妊活をスタートするご夫婦にも参考になればと思います。

体外受精の歴史

d8af6f838a124f2acabeed235cfc38cb_s

体外受精の歴史は、約40年ほどになります。比較的最近ですよね。1978年、イギリスで初めて体外受精が成功しました。日本においては1980年代になって初めて体外受精によるベビーが誕生しました。現在のアラフォー世代が幼少の頃はまだメディアでも「試験管ベビー」などと言われることもありました。それが現在、新生児の35人に1人、クラスに1人は体外受精によって産まれた子がいるような時代になったのです。
過去、体外受精で誕生した赤ちゃんたちは既に成人している人も多くいます。
1978年、世界で初めて体外受精で誕生したイギリスのルイーズ・ブラウンさんは、2006年に男の子を自然妊娠でご出産されました。
当時は「体外受精で産まれた子供は、将来、何か身体に問題が出るのではないのか?」「将来、女性として健康な子供を産めるのか?」などという懸念や疑問視する声が多くあったと言われますが、ルイーズさんの実例がその疑問を覆しました。健康上、問題ないことが証明されたのです。

1978年 世界初、体外受精が行われる
(イギリス・ルイーズ・ブラウンさんが誕生)

1983年 日本において初めて体外受精による妊娠・出産
(東北大学附属病院)

1992年 顕微授精による妊娠・出産
(ベルギー)

2005年 日本において、約15万4869人の体外受精児が誕生

2009年 新生児の40人に1人が高度生殖補助医療によって妊娠・出産
(日本産婦人科学会集計)

体外受精の治療の流れ

f5829edf2c024983cc5f32f053f4cfdf_s
では、実際に体外受精はどのような流れで行うのか、以下にまとめてみました。

<術前検査>
まずご夫婦ともに血液検査で感染症の有無をチェックします。検査の結果は約1週間ほどかかります。お仕事の都合でなかなかクリニックに行けない男性もいらっしゃるので、夫婦で相談しあってのスケジューリングも大切です。

<卵巣の刺激>
飲み薬や注射で女性の卵巣を刺激し、複数の良好な卵子を育てていきます。
この間は、3日に1度ほどの通院が通常です。(自分で自宅で注射をする自己注射の場合もあります)

<採卵>
卵巣の中の「卵胞」が大きくなったら、針を刺し、卵子を採取します。
(クリニックのオペ室にて、麻酔をかけて行います。時間自体は約20分〜30分程度で終わります)

<受精の成立>
採卵した当日に、奥様の「卵子」と旦那様の「精子」を一緒にし、「体外受精」もしくは「顕微受精」を行います。翌日に、受精したかどうかの確認を行います。

<受精卵(胚)の培養>
卵子(胚)は、採卵した直後からインキュベーターの中で培養します。
インキュベーターと言われるものは、湿度、温度、酸素、二酸化炭素が体内と同じ環境に管理されている培養庫のことをいいます。

<胚移植>
受精後、2日目〜5日目に胚を子宮に移植します。
子宮内膜、卵巣の状態によってはすぐに移植をせずに、そのまま凍結保存する場合もあります。女性の子宮の状態、移植すべき絶妙なタイミングを医師が見極めます。

<妊娠判定>
胚移植した後、約2週間後に血液検査にて妊娠判定を行います。

卵巣刺激の方法

e9e4e6ea723a6c7202ce773cc7ad48a8_s
体外受精の治療において、個々人で大きく異なるのがこの「刺激法」です。これは、それぞれのホルモンの状態や卵巣の状態に合わせ、最も適する方法が提案されます。(クリニックによってはより自然に近い方法で、刺激をマイルドなものに統一しているクリニックもあります)

1:ショート法

月経1日目から約11日、12日目(採卵の前前日)まで、1日3回、8時間ごとに「ブセレキュア」と呼ばれる点鼻薬を使用します。これは採卵まで卵子を育てるのと同時に、排卵してしまわないよう抑える働きがあります。併せて、hMG製剤を月経3日目から投与し、卵子を育てていきます。量や投与する日数は個人差があります。この間、超音波(エコー)で随時、卵胞の大きさをチェックしていくので、女性は2-3日に1度、通院する必要があります。

採卵の34時間前(前々日)hCG製剤(注射)を投与し、卵子の成熟を促します。超音波で卵の大きさや採血でホルモンチェックをし、いつ採卵するのがベストかドクターと相談して採卵日を決定します。

ショート法のメリットは、hMG製剤で卵巣を刺激するため、卵胞の数ができやすいことです。デメリットは、数がたくさんできるので卵巣が腫れやすいこと、また、ほぼ毎日点鼻薬を続けないといけないことや注射を行わないといけないことです。

2:アンタゴニスト法

月経3日目からhMG製剤(注射)を投与していきます。この間、卵胞の育ち具合などを超音波でドクターがみていきます。投与量や日数は個人差があります。卵胞が育ちきったところで、GnRHアンタゴニストと呼ばれる製剤、注射を投与します。これは排卵を阻止するための注射で、2-4日間投与されます。

その後、ショート法と同じく、採卵の前々日にhCG製剤を投与し、卵の成熟を促します。超音波で卵の大きさや採血でホルモンチェックをし、いつ採卵するのがベストかドクターと相談して採卵日を決定します。

このアンタゴニスト法のメリットは、卵巣機能が低下している人(高齢の女性など)でも、卵が得られる場合が多く、また、多嚢胞卵巣症候群の人の過剰な卵巣刺激を抑えることができることです。デメリットは、GnRHアンタゴニスト製剤の注射が高価なことです。 治療費が高くなります。また、1日にhMGとGnRH両方の注射を打たねばならない日があり、身体的な負荷がかかる点、ホルモンチェックが重要なポイントとなってくるため、採血での通院時間が限定されるということです。

3:クロミッド+hMG法

月経3日目からクロミッドと呼ばれる内服薬を飲み始めます。卵胞の育ち具合を超音波でみていき、途中でhMG製剤を注射していきます。卵胞の育ち具合により、投与量、投与日数は個人差があります。

その後、採卵の前々日にhCG製剤を投与し、卵の成熟を促します。超音波で卵の大きさや採血でホルモンチェックをし、いつ採卵するのがベストかドクターと相談して採卵日を決定します。

メリットは、上記のショート法よりも卵巣が腫れにくい点です。デメリットは採卵数が少なくなる可能性があります。

4:クロミッド法

月経3日目からクロミッドと呼ばれる内服薬を飲み始めます。卵胞の育ち具合により、投与量、投与日数は個人差があります。その後、採卵の前々日にhCG製剤を投与し、卵の成熟を促します。超音波で卵の大きさや採血でホルモンチェックをし、いつ採卵するのがベストかドクターと相談して採卵日を決定します。

こちらの方法は、もっとも自然に近く一番刺激が少ない方法です。メリットは注射がないので体の負担が少ないことです。デメリットは1度に採れる卵の数が少ないことです。よって、1度で成功しなかった場合、また繰り返し次の周期に採卵しなければなりません。

「刺激法」については、それぞれメリットデメリットがあります。「どのクリニックを受診したら良いのか迷っている」という相談、「なるべく自然が良いのですが」というようなメリットやデメリットなどのご質問もよくお聞きします。

短期集中型で結果を出したいのか、自然に近い方法でマイペースに治療したいのか、通院頻度なども考慮する必要もあるかと思いますが、「生殖医療を利用して、最短距離を目指す」のであればある程度覚悟を決めるべきではないかと私は個人的に考えます。費用の問題は採卵が1回ですみ、すぐ成功するケースがもちろんベストでしょう。しかし、もしも、成功しなかった場合、再びお金がかかることは否めません。
治療スタイル、メリットやデメリット、刺激法や薬剤については事前にクリニックで必ず説明があります。「ナチュラル主義が良い」と言う人も多いですが、単純にそれがベターと言えないケースもあります。「自分に合うスタイル」を検討、相談してみて下さい。

高齢女性やAMH(卵巣予備能)の低い方は、卵巣刺激をしてもなかなか卵が採れないケースもみられます。その場合、多少負荷がかかっても刺激をして結果がでる場合もあれば、負荷をかけずマイルドに治療をするかはその時々の見極めと判断があります。治療費については、「成功報酬型」のコスト提案をされているクリニックも増えていますので、よく考慮されるのが良いかと思います。

実年齢、卵巣予備能からの限られた時間、ワークライフなどを加味しながら、相性のよいクリニックとドクターをみつけることも高度生殖医療を有効活用する上でのポイントではないでしょうか。

いかがでしたか?「体外受精」を含む、高度生殖補助医療(ART)は、特別な人だけが受ける治療ではありません。現代においては、もはや「合理的、かつ、スピーディーな家族計画」のために利用するという考え方も主流となってきているからです。限られた時間限りある卵子の在庫数を有効に使う手段を考える選択肢の1つ。もちろん金銭的な問題、心身の負荷も多少覚悟する必要はあります。しかし、逆に言えばその余裕さえあれば人生設計の選択肢が増えると言えます。「仕事でどおしても叶えたい目標がある・・・」夫婦で「いつ子供を持つ」のか、しっかりと話合う必要があります。その上で、お互いのタイミングがもし異なっていたら「受精卵を凍結する」ことで、ライフプランが叶い、複数の子供を持つチャンスも叶えられるかもしれません。コウノトリを気長に待っていたら何年もかかったかもしれないところ、医療を活用することで短期間でママ・パパになることも実現できるかもしれないのです。昨今、ホリスティックな生き方やライフスタイルが支持されている流れは非常に好ましいことです。前提として産める力をつけておくことや男女のセックスは大事です。加えて、これからの時代は、最先端医療をピンポイントで取り入れ、産みどきコントロール、そんなカップルが増えるのではないかと感じます。欲張りで贅沢な、新時代の「バースプラン二ング」。私はアリなのではと思います。

aya_prpf

中村あや
日本不妊カウンセリング学会員・学会認定不妊カウンセラー
広告やメディアに携わるOL時代に女性の産みどきやライフスタイル・キャリアシフトに問題意識を持つ。生殖医療を0から学び、当事者サポート、タイ式セラピスト、ライターとして活動。性の悩み・夫婦生活・不妊治療相談を主に担当。ネガティブをポジティブに変える!がモットー
#Blog:http://ameblo.jp/chaai-haat/
#MailMagazine

<<<告知>>>

<<<ファミワン新サービスのご案内>>>
------------
正しく妊活できていますか?

なにをしたらいいか分からない...
最近夫婦仲がギクシャクしてきた...

そんなあなたのためのサービスです!

LINEで質問に答えていくだけで
あなたに必要なアドバイスが届きます。

男性・女性どちらでもご利用できます。

友達追加でサービス開始
友だち追加

■モニター参加に関する条件
・モニター中、ヒアリングのためにアンケートなどに回答いただけること
・テスト版と理解していただけていること
※料金はかかりません。
-----------