【連載】福祉国家フィンランドのカップル事情・同棲・結婚観!

フィンランドは、社会保障が充実した福祉国家です。女性の社会進出が進んでおり、また男性の子育て参加率も高く、子育てがしやすい国とのイメージが強いかと思います。そんな北欧・フィンランドへ、私はがんの研究をする目的で留学し、2年弱暮らしました。このコラムでは、同年代の友人と過ごした時間・日々で体験したこと・感じたことを皆様に伝えていきたいと思います。
いざ、北欧・フィンランドへ!
海外の研究室を見てみたい!と考えていた私は、日本の大学院を卒業後、フィンランドの研究室にPost Doctoral Fellow(博士研究員)という形で職を得ることができました。様々な手続きが完了し、北欧の一番良い季節である6月にフィンランドの首都・ヘルシンキに到着しました。
日本とは全然違う!フィンランドのカップル・結婚事情
私がフィンランドにいた時、一番身近にいた女性 が4人いました。
そのうち3人は彼氏と同棲中でした。
私はフィンランドの恋愛事情に興味があったので、彼女たちに、「今後彼氏とどうしていきたいのか」ということを聞いてみました。そうすると、とても面白いことに、3人ともが違う考え・関係性を築いているということが分かったのです!
まず1人目!
彼女は「彼はもちろん大好き。別れるなんて考えられないけど、私が大学院を卒業するまで結婚も子供も作らない予定。だって経済的にも時間的にも子供がいたら大変だからね」という考えでした。
彼女のお家に招待された際には、2人の料理でおもてなしをしてもらいました。
同時に、誰の前でも愛情表現をする彼の姿がありました。その時は、日本人の私としては恥ずかしさもありましたが、今考えるとうらやましいですね。
そんな彼女も今では結婚し、一児の母となりましたが、現在も研究者として働いています。
2人目!
彼女は大学院生にも関わらず、子供を持つ選択をし、産休を取ることになりました。
そんな彼女は、一人目の妊娠・出産の際には彼と同棲しているものの結婚はしていない状態(事実婚)でした。私は疑問に思い、「なぜ結婚しないの?」と聞いてみました。彼女の回答はなんと、「めんどくさいから」。とても衝撃を受けたことを覚えています。ただ、2人目の子供を妊娠した時にはさすがに籍を入れていました。
フィンランドでは子供のために結婚を選ぶカップルが多いように思います。
そして、3人目!
彼女はバツイチの彼と同棲していました。しかし、彼女は私がフィンランドに到着してから約半年後には、同棲を解消しました。
ただ、半年も経たないうちに新たな彼が現れており、フィンランド女性のたくましさを感じることができました。
ところで、実は仲の良かった人の中に、彼女のいなかった男性の友人がいました。私が留学に来た時には彼女はいませんでしたが、ある日突然、それこそ突然できた彼女のご両親に挨拶に行き、結婚を決めていました。理由は、子供ができた為ということでした。
彼は産休を6ヶ月とるとのことを始めから決めており、制度的に進んでいるとの印象を受けました。

- 今井美沙
- 中学校・高校の時に経験したボランティア活動がきっかけで研究者の道を志し、現在も、「妊娠」と「がん」の共通点・相違点を知りたいと思いで研究を続ける研究者です。研究者として暮らした海外での生活をしたからこそ感じる事、妊活について思う事。海外で出会った友人(男性)のエピソードや「ひと」として私の思いなどを書いていきたいと思います。